業務マニュアルの作り方・活かし方

2009/9/18 金曜日 – 11:53:21


書名:業務マニュアルの作り方・活かし方―作成・活用・改訂、これこそがマニュアル! (アスカビジネス)
著者:工藤正彦

自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。

ぼくは操作マニュアルというものを20年以上にわたって作ってきた。
業務マニュアルというものは作ったことはないが通じるものはあると思う。
操作マニュアルには元情報として仕様書と製品(ただし開発段階)があるが、業務マニュアルには現場しかない。
したがって取材が中心になるのだけれど。
この本は、職場の人が自分自身で手作りすることを想定している解説書なので、「マニュアルの作り方」に焦点を当てている。
そして、この「マニュアルの作り方」という点で操作マニュアルと非常に類似点があるのだ。

工藤正彦さんの主張することは、おそらく「正しい」。しかし、その主張は被害者意識にとりつかれたものなので、マニュアルの作り方を学ぼうという人は読まない方が良いんじゃないかと思うのだった。
この本が解説していることは、他のマニュアルの作り方でも解説していることなので。

ぼくはマニュアル作りを20年以上にわたって続けてきて気付いたことがある。「マニュアルは必要悪」なのだ。
なければ良いに越したことないのだが、なくならない存在なのだ。目指すものはマニュアル不要のシステムなのだ。

工藤さんはその対極の主張者で、マニュアルは必要!マニュアルは重要!マニュアルは最後まで読まなければならない!
という。そんな心構えでマニュアルを作るから、分かりにくいものの代名詞のようになってしまったのに。
そしてマニュアルを軽んじる人に対抗するために「マニュアルは必要!マニュアルは重要!」と唱え続け、煙たい存在になっているのに。
そんなことを言う前に、もっと手にとってもらえる、必要性を感じてもらえる、いざというときに頼りにしてもらえる、そのようなマニュアル作りにエネルギーを費やせばいいのに。

本文中にやたら目につくのが、「○○しなければならない」というmust文。おそらく自分の主張に説得力がないのを自覚しているので、「○○しなければならない」と書いてしまうのだ。

このような主張ばかりをする人は得てして論理的にものを考えられないことが多い。
54ページでは、
また、「ペラ2~3枚でまとめろ!」と言われているといった悩みも聞くが、それは、マニュアルと言うより、チェックシートかレジュメの類である。厚ければよいなどとは毛頭考えないが、そんな2~3枚で業務が語り尽くせますか、ということになる。
と書いておきながら、180ページでは、
ある企業で、機器操作マニュアルはすべて表裏一枚で作成し、それをラミネート加工して、その機器の目立つところに取り付けておく、という方法を試みた。情報量によって、B5・A4・B4とサイズを変えて作成もしてみた。結果は大成功であった。
どうして、54ページでの要望も、180ページの企業のように業務内の作業ごとに両面ペラでの分散型マニュアルを提案できないのだろうか?
この硬直した(工藤正彦さんの)頭がわかりにくいマニュアルを作ってきた原因なのではないか?

驚くべきことに、マニュアルは権威あるもので、なくしたら始末書を書かなければいけないらしい。
この本には、その始末書のひな形まで提示している!

自分史を書くならわたし本の文研ビズ

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