徳川時代の社会史

2008/4/25 金曜日 – 11:33:43


書名:徳川時代の社会史
著者:大口勇次郎

自分史を作成するうえで、市販の書籍を参考にすることはよいことだと思います。もちろん度を超して盗作になってはいけません。
プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
また自分史として自分の知識と経験を綴るにしても、情報収集は必要です。取材に行くこともあるでしょうし、参考文献を読破するも必要なことです。
ここではわたし、野見山肇が読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。

江戸時代の人といってもそんなに違わないのだ。現代社会の都会人とはまったく異なるが、ぼくの子供の頃の周りの人は江戸時代の人の感性とは類似しているものを感じる。
近所づきあいも親戚づきあいもお互いのバランスを考えて、ものを贈ったり贈られたり。またお宅を訪問すれば手土産をもって行くし、頼み事をするときにも手土産を持参するし。

現代社会では、罪刑法定主義と慣例主義により、人は裁かれる。また漏れ伝わる情報によれば法曹界というものは専門家の集まりなので、一般人の常識とは一部異なる部分があるらしい。門外漢が世間の常識で、刑事裁判の進め方を評価しては的外れなのだ、みたいなことを法曹界の専門家を自称している人がしゃべっているのをワイドショーで見たことがある。

それに比べて江戸時代では、法律は完備していない。代わりに人を裁く際に、重視されたのは、動機と社会に対する影響度のようだ。そもそも法曹界そのものが存在しないからか、わかりやすい裁きになっているらしい。冤罪の怖さは、現代社会の比ではないだろうが。
本書で紹介されている中に、こんなことが書いてあった。
押し込み強盗を働いて捕縛された6人組がいたのだが、事情聴取してみると、「極貧の者、殊の外難儀に付き」ということでリーダー格の一人だけが罪をかぶることになったらしい。

罪を憎んで人を憎まずの実践だろうか。江戸時代、暮らしは大変だったと思うがそれはそれでよい国(時代)だった一面も十分あると思う。

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

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