失踪

2009/3/15 日曜日 – 15:38:43


書名:失踪―松本清張初文庫化作品集〈1〉 (双葉文庫)
著者:松本清張

自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。

ひょっとすると、松本清張は気分屋なのかもしれない。
ノリにノって書いた小説とそうでない小説があるように思えてならない。

この「失踪」には、4編収められているが、面白いのは1つ。やや面白いのが1つ。
急いで書いたのが2つ。という内容だ。

面白いのは、失踪ではなく、草という小説だ。
推理小説にはどんでん返しがどれほど鮮やかであるかで、面白いか面白くないかが決まる。
トリックの巧妙さ、登場人物の機微、探偵役の魅力、これらが束になってかかっても、どんでん返しの鮮やかさにはかなわない。

そのお手本のような見事などんでん返し!
しかも、最後の1行で犯人がわからなくなってしまう!
松本清張のそこの深さを感じさせる一品だ。

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

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