戦国のコミュニケーション―情報と通信

2008/5/7 水曜日 – 14:21:50


書名:戦国のコミュニケーション―情報と通信
著者:山田邦明

自分史を作成するうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を作成するときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。

戦国大名の情報通信能力を古文書を元に解説した本である。
現代語訳がついているので、ぼくにも読める。

中世の通信網と言えば文しかないのだが、これも人手で渡すものであり、それは徒歩か馬に乗っていくしかない。
かつ、中世は戦国時代のため、自国領以外では命の保証もない。
というわけで、1通の文が3ヶ月ほどかかる場合もある。これは距離の問題ではなく、敵国を通過するための事情による。

著者の山田邦明さんは歴史学者であるので、小説のような表現はどこにも見られないのに、小説を読んでいるかのようにどきどきすることもあった。
それは、ここで取り上げられている手紙が、ぼくたちがやりとるする手紙のような単なる近況のお知らせではなく、軍事行動の通達・依頼の類だからだろう。
その手紙を読んで、相手を動かせなかったら、自分の命も危うくなるのだから。

今も昔も、情報戦は重要視されていることがわかる。

ぼくの知人に古文書の研究サークルに通っている人がいる。
ときどき、宿題をこなすために数日家にこもることもあるそうだ。
なぜ、そんなに熱を入れるのか、この本を読んで、謎が解けた気がする。
1枚の古文書で当時の状況を思いはせること、確かに面白いしどきどきする。

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

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