旅路 (上)

2009/4/19 日曜日 – 15:42:16


書名:旅路 (上) (文春文庫 (142‐28))
著者:池波正太郎

自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。

池波正太郎の魅力とは何だろう?

その独特の文体。登場人物の味わう食事のおいしそうなところ。
これはほかの作家には見られない特長なのだけれど。

うまい小説家の基本である、登場人物が生き生きとして、読んでいくと頭の中で実際に動いていくように思えていくことも欠かせない魅力だ。

この旅路は、夫の敵として、近藤虎之助を追いかけて、江戸に下っていく三千代の旅路なのだけれど。
出てくる登場人物がどれもこれも、存在感溢れて、悪人も親切にしてくれる人も、生き生きとしている。
旅の途中で知り合った、堀本伯道は裕福な老人で、三千代を江戸まで無事に届けてくれる。
旅の代金や江戸での滞在費も面倒見てくれる。

江戸では長く暮らすために、絵師の家でお手伝いさんになってしまう、武家の後家さんなのに。

などといった不自然な状況がちっとも不自然でなく、「三千代、がんばれ」といつの間にか応援しているのだった。

下巻では、果たして首尾よく敵討ちができるのか? 堀本伯道と再会できるのか?
その堀本伯道とはいったい何者なのか?
一刻も早く下巻を読みたくなる本だ。

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

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