姫様と紀貫之のおしゃべりしながら土佐日記

2009/5/19 火曜日 – 12:21:31


書名:姫様と紀貫之のおしゃべりしながら土佐日記
著者:大伴茫人

自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。

土佐日記と言えば、史上初のネカマによる紀行文なのだけれど、著者である大伴茫人さんによれば、それは女性用教科書として制作されたものらしい。
(独自の見解との断り付きだが、説得力もあるのだ)

その「独自の見解」をもとに土佐日記を解説するという仕組みなのだが、発想は実に興味をそそる。
だから読んでみたのだ。

企画倒れではない。しかし著者の暴走本だと思う。
「これはきっと楽しい読み物になるに違いない」、「古典もこのように解説すれば面白い」という信念が強すぎるのだと思う。

原稿執筆者は、自身で推敲・洗練するときは客観的な視点で読み返すことが必要なのだが、この本のように、著者の思い入れが強い場合、今ひとつ客観的な視点で冷静に読み返すことができないのだろう。
編集者がもっと仕事をしないといけないナーと思った次第だった。
いい企画なのに、惜しいナーと思ったのだった。

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

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