信長軍団に学ぶ処世の法則

2008/6/2 月曜日 – 11:35:45


書名:信長軍団に学ぶ処世の法則
著者:加藤廣

自分史を作成するうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を作成するときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。

あの、小泉前首相が読んだ「信長の棺」の加藤さんの本である。
加藤さんは、信長の棺に続いて、秀吉の枷という本を出しているらしい。
この本は、小説ではないが、加藤さんの3番目の本のようだ。

織田信長、柴田勝家、荒木村重、豊臣秀吉らを中心に、その軍団の仲での行動を基にサラリーマンとして、「どう行動すべきか」を解説した本という触れ込みだった。

でも、実態は違うんじゃないかというのが正直な感想だ。
次回作のネタ構想段階と直近の出版である「秀吉の枷」の宣伝本なのではないかと邪推している。
その理由は、3つある。

1つは、織田軍団といっていながら、著者加藤さんの蘊蓄(うんちく)がぽろぽろ出てくる。
それも明治時代や戦争中の話だったり。明らかな脱線だ。
話自体は面白いが、なんで「織田軍団に学ぶ処世の法則」にテーマと題材を絞れないのだ?
加藤さんともあろう人が!

2つめは、織田信長を語る資料は信長公記だけと言い切っておきながら、ここぞというところで「秀吉の枷」から引用した、加藤さんのまったくの空想でもって意見をまとめたりしている。
これは明らかな宣伝に違いない!

3つめは、荒木村重への肩入れだ。
映画でいうところの予告編のように、興味をそそるようにエピソードが織り込まれている。
これはもう、読みたくなるに違いないじゃないか!
それまでの荒木村重人いえば、謀反を起こしたはいいものの、形勢不利と見るや一族家来を残して、一人で蓄電したという、ある意味においての強者。
しかも、ぼくの好きな黒田官兵衛を地下牢に押し込み、足を不自由にしてしまった人。
(この件に関しては、小寺政職がいちばん悪人だと思うが)
その荒木村重をかばうのは、ちょっとと思うが、それだけに次回先が気になる!

知らなかったのだが、第2次世界大戦前の日本は年功序列ではなかったらしい。
となると、戦後の約50年弱の間だけが年功序列だったという事になる。

いずれにしろ、この加藤さんは小説セミナーに通っただけのことがあり、読む人を飽きさせない事には手抜きがない。
確か、若桜木 虔さんのセミナーだったと思う。

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

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