それでも自転車に乗り続ける7つの理由

2009/8/29 土曜日 – 18:30:18


書名:それでも自転車に乗り続ける7つの理由
著者:疋田智

自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。

東京都世田谷区では、レンタサイクルを始めていて、名付けて「がやりん」というのだ。

そのセンスはどうかと思っているが、便利なことこのうえない。
自宅のそばと事務所のそばにレンタサイクルの拠点があり、相互乗り入れ可能だからだ。
おかげで、この2月から通勤は自転車。電車に乗るのは、外出の時だけとすっかり満員電車とはおさらばしている。
たまにラッシュ時に電車に乗ると、車内はじっとしているだけなのでどうということもないが、混雑する駅の改札付近を歩くのは下手くそになってしまっていた!

というわけで、自転車で通勤する人のことをツーキニストというそうだが、ぼくもその一人ということで、この本を読んでみた。
自転車を交通機関として活用するには、ロードタイプでないと行けないそうで、大げさな人によると「一漕ぎ200メートル」とか「1日に200km走ることができる」など。
ロードタイプの自転車に乗ったことないぼくには、想像もつかない快適さだ。

読んでいくと、実に楽しそう。間違いなく疋田さんは自転車を愛している。愛しているが故に、疋田さんにとって邪悪なものには厳しい。
一つにはママチャリをはじめとする5km未満を人よりちょっとだけ速く移動するための自転車。
一つには、自転車の共有制度。
疋田さんの話によると、自転車の共有制度とは、自転車に乗らない人のダメな提案だそうだ。
ダメじゃん、ぼくは「がやリン」に満足しているので、ダメじゃん。
とまあ、少し寂しい思いをしながら、読み続けたのだった。

懐かしかったのは、少年スポーツ車の歴史。
ぼくの通った中学校は自転車通学だったので、中学に上がる前になると、どんな自転車を買おうか(買ってもらおうか)自転車屋に行ってはカタログをもらってきて、友達とあれこれ情報交換したものだ。
確か、ナショナルの方向指示器のぎらぎらした自転車に憧れて、そのカタログに赤マジックで「いじでもかいたい」と誓いのことばを書き記した(今でも目を閉じればそのときの光景を思い出すことができる)。
そこまで気に入っていたはずなのに、いざ自転車を買う段になって、父に連れられ、最寄りの吉野自転車店に行って、
そこのオヤジさんに丸石自転車を進められ、(吉野自転車は丸石自転車の系列だったに違いない)、
方向指示器のいっさいついていない、15段変速・ドロップハンドルのサイクリング車を買ってもらったのだった。

その愛車で通学していると、志をもってサイクリング車で通学している友達に同志と誤解され、「方向指示器なんか邪道だ」と言われ、
心にうそをつきながら、「そうだ、そうだ」と言っていたのを思い出す。

懐かしい気分にも、豆知識も、何より自転車乗りの楽しさを伝えてくれる本なのだ。

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

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