黒革の手帖

2009/9/22 火曜日 – 12:18:14


書名:黒革の手帖〈上〉 (新潮文庫)
著者:松本清張

自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。

松本清張の作品の中でも、面白い上位に入る小説だ。
何が面白いのかというと、わらしべ長者なのだ。
原口元子は、さえない女子銀行員。それが3年前に自分でのし上がっていくことを決意したときから、彼女は変わる。
銀行の不正取引を元に、横領した金額をチャラにしてもらって、バーを始める。
では終わらず、次の恐喝を始める。

どうして、1軒目のバーの運営に専念しなかったのか、どうして、予定よりお金がかかったからといって、次の恐喝を思い立つのか?
思い立たなかったら、わらしべ長者的ストーリーにつながらず、「面白い小説」はなり得ず、そんなくだらない小説を松本清張が書くはずもなく、ということだろうけれど。
また似たような話が次から次へと発展していくことは週刊誌の連載小説ならではだ。

最後の急展開は、性急すぎるが、それも週刊誌の予定掲載期間が迫ったためだろうか? 確かにそれまでが面白く、予定より枚数をいってしまったのだろう。

自分史を書くならわたし本の文研ビズ

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