砂の器〈上〉

2010/1/17 日曜日 – 15:29:24


書名:砂の器〈上〉 (新潮文庫)
著者:松本清張

自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。

松本清張がすごい小説家ということは、誰もが認めることで、しかし、ときどき外れと言うか、手抜きに等しいゴミ小説もあるのがふしぎなのだけれど。

どこが不思議かというと、そのゴミ小説がかわいく思えるところだ。

さて、砂の器。何度も映画/ドラマ化された、有名な小説だ。
「かめだ」と言う訛りをおって、今西刑事が東北から岡山まで旅するし、なぜか、不発に終わった秋田・亀田地方でキーパーソンと遭遇する。
汽車から紙吹雪をまいた女性の話を聞くと、犯人の衣服を切り裂いて捨てたのだと直感し、3カ月後にも関わらず、その切片を拾ってしまう。

こんなラッキーマンなのだから、途方に暮れて散歩していたら、ある男とぶつかって、そいつに絡まれている内に、そいつが真犯人だった。
という結末でも不思議はないんじゃないかと思うのだが。

それでも松本清張は、すごい小説家なのだとつくづく思う。
こんな展開なのに、ちっとも読む気を失させないのだ。
いったい、どうやって、この状態から大団円に持って行くのだろう!
気になってしょうがない。

これが、松本清張の筆力なのだ。

自分史を書くならわたし本の文研ビズ

Post a Comment