おんな侍

2010/2/28 日曜日 – 13:54:38


書名:おんな侍―祥五郎想い文 (徳間文庫)
著者:片岡麻紗子

自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。

男っぽい女と女っぽい男とどちらがさわやかかというと、実際は個人の問題ということは抜きにして、男っぽい女の方がさわやかなイメージだろう。
なぜなら、『私は男っぽい性格です』と公言する女の人はいるけれど、『ぼくは女みたいな性格です』と公言する男の人は少ないからだ。
でこの『おんな侍』、居眠り磐音シリーズの霧子みたいな、剣客商売の三冬みたいな、人だ。実に小気味よい人だ。
この人を取り巻く登場人物設定がまたよい。

品のよい香江さま。威勢のよい女中おあき。頼もしい祥五郎。優しく見守る治平。
江戸時代小説の王道だろう。
これで面白くない小説を書くには、ある意味才能が必要になるくらいだ。

とまあ、実に楽しく読み終えたのだけれど、たった一つ、欠点ではないが疑問が残る。
この『おんな侍』、主人公は、おんな侍の中藤春芽ではなく、祥五郎なのだ。
『祥五郎思い文』というシリーズの「おんな侍」の巻だから、祥五郎が主人公なのは分かるが、
「おんな侍」の巻だから、もうすこし春芽の出番を増やしてくれてもよいではないかと思うのだった。

自分史を書くならわたし本の文研ビズ

Post a Comment