イグアナの娘

2010/3/20 土曜日 – 10:59:39


書名:イグアナの娘 (小学館文庫)
著者:萩尾望都

自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。

天才を定義すると、常人には及びもつかないことをできる人だと思っている。
(ただし、常人が憧れる方向に限る)

この萩尾さんが、その天才の1人で。

ぼくはそもそも少女漫画を読まないのだけれど、なんでこのイグアナの娘に肩入れするかというと、
それはテレビ朝日のドラマ「イグアナの娘」に惚れ込んだから。
だから、どうしても原作を確かめてみたく、読んでみたというわけだ。
ドラマは3カ月の連続ドラマだったけど、原作は50ページほどの短編。
その短編に、見事に凝縮された、人の気持ちが激しい勢いでぼくの心をノックするのだ。

いったい、他人の中に自分とそっくりの部分を見つけたら、人はどんな反応をするのか。
なぜ、そっくりの部分に気づいたのか。
そっくりの部分は自分にとってどんな価値があるのか。

自分を見つめ直すには、なまなかにはできないことだ。客観的になるのもやっかいだし、評価もしづらい。
何より、自分と直面することは照れくさい。

この「イグアナの娘」の主人公は、青島リカではない。その母である、青島ゆりこなのだ。
リカの苦しみと努力は、青島ゆりこの投影だ。
そして、それは、読み手である、僕たちへの問いかけでもあるのだ。

さあ、ぼくの心の中にいるイグアナはどんなのだろう。いつか気づくことができるのだろうか?
そんな風なことをいろいろ考えさせられるのだった。

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