まちまちな街々―ニッポン見聞録

2010/9/4 土曜日 – 11:20:22


書名:まちまちな街々―ニッポン見聞録 (角川文庫)
著者:清水義範

自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。

今から25年くらい前にヘタウマという言葉が流行った。
おもにイラストに対して使われたのだが、下手そうに見せて書いたプロの絵という意味だった。
なんで下手そうに見せるのかというと、絵の下手な人に劣等感を持たせないためだった。
あるいは、「オレは上手いんだぞ」という自慢臭を消すためだった。
あるいは、素朴さ、純朴さを、伝えるためだった。

しかしながら、それはプロの仕事なので、絵の下手な人が描いた絵とは違うのだった。
なんでそんなことが分かるかというと、ヘタウマで描かれたイラストを、ぼくが模写してみたからだった。

さて、清水義範である。
この「まちまちな街々」とは、巻末の解説によると、ヘタウマ旅行案内なのだそうだ。
プロの手による各地案内では、恥ずかしくて表現できない手法を使って町を紹介しているからだそうだ。
ちっとも分からなかったけど。
なぜなら、「下手さ」が伝わってこないのだ。むしろ、書かれている文章を読むだけなのに、その地にいるかのような、目の前に光景が広がってくるような現実感が伝わってくるからだ。
なぜ、それをヘタウマと思うのか? この本を読んで浮かんできた、たった1つの疑問なのだった。

チョイ上の自分史 わたし本 を作ろう!

Post a Comment