天才画の女

2008/9/29 月曜日 – 19:48:28


書名:天才画の女 (新潮文庫)
著者:松本清張

自分史を作成するうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を作成するときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。

「人はパンのみにて生くるにあらず」とは聖書の言葉だが、ではなんで生きるのだろうか?
それは好奇心に違いない。

光彩堂のオーナー中久保は、上顧客の寺村が気に入った無名画家を全面的にバックアップして売り出そうとする。
中久保がその無名画家降田良子にあった印象は、「無愛想」だった。
一流の画廊の主人が訪ねてきたのに、絵をほしいといっているのに、その無名画家はさほど喜ぶことはないのだった。

ということで、ぼくはこの無名画家の謎を中久保が明らかにしていくのかと思っていたら、新たな展開を見せ、その競合店である叢芸洞の支配人小池がその無名作家の謎を解いていくのだ。

動機は好奇心だ。
競合店が力を入れている無名作家だからといって、ここまで探ることもないだろうと思うのだが、それがちっと不自然でない。

松本清張の文章力なのかも知れないが、読んでいくウチに、「人間で好奇心が生命力の源なんだ」と思いつつ、最後まで読んでしまった。

結末は、新たなおもしろみ?(展開??)がある。
最近は松本清張と三島由紀夫を読もうと思っていたのだが、当分は松本清張ばかり読んでいくような気持ちにさせる本だ。

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

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