人は見た目が9割

2008/11/12 水曜日 – 16:03:00


書名:人は見た目が9割 (新潮新書)
著者:竹内一郎

自分史を作成するうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を作成するときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。

2006年のベストセラー8位にもなった本なのだが、あまり評判はよろしくないようで。
本は見た目じゃなかったんだ-。といってしまえば身も蓋もないけれど。
不評の理由を探ってみる。

書名とテーマがずれているのが第一の理由だろう。
「人は見た目が9割」だから、○○という主張が必要なのだが、「見た目とその印象は○○です。」の羅列に終わっている。

未知の分野で解説しようとしているのが第2の理由だろう。
竹内さんは心理学者ではなさそうだし、心理学に詳しいとのようすもない。
それなのに、「心理学では~~」という書き出しが目に付く。

彼の本業はマンガと演劇らしい。
マンガの人物の描き方はなるほど、その性格などをよく現した外観になっているが、生身の人間とマンガの登場人物は別な判断をするので、例としてふさわしくない。
演劇の世界での出来事は、虚構の「役になりきる」のであって、それと現実社会とは、これも同様に別な判断をするので、例としてふさわしくない。

竹内さん、きっと、「人は見た目でけっこう判断しているよね。で、それがけっこう当たっているよね」という持論があったんだろう。
でももうちょっと編集担当の人が、説得力ある内容になるように意見すればこんな不評な本にならずにすんだと思うのに。

「人は見た目が9割」言い得て妙な、存在感のあるタイトルなのに、実にもったいない。
出版社としては、「労をかけずにベストセラー」最高のコストパフォーマンスだろうが、新潮新書って、こんな本を出すブランドなんだということを肝に銘じておこう。

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

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