簡単便利の現代史

2008/3/27 木曜日 – 13:16:58

書名:簡単便利の現代史―高密度消費・情報社会の行方
著者:川本敏郎

自分史を作成するうえで、市販の書籍を参考にすることはよいことだと思います。もちろん度を超して盗作になってはいけません。
プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に作成するときのお手本になるに違いありません。
また自分史として自分の知識と経験を綴るにしても、情報収集は必要です。取材に行くこともあるでしょうし、参考文献を読破するも必要なことです。
ここではわたし、野見山肇が読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を作成する際の参考情報になれば幸いです。

とても誠実な本だと思う。
この前に読んだ本は、「私エライのよ。どーして日本人てバカなのよ!」というだけの本だったので余計、感動しているのかもしれない。
「ダメよ、ダメよは、あんたがダメよ」とテレビであるタレントが言っていたが、まさにそのとおりだ。
そして、この川本敏郎さんは、「だから世の中はこうなってほしい」という趣旨の元に、この本を書いていることがわかる。
だから、読んだぼくの心に届いたのだ。

簡単便利を手に入れたぼくたちは、今さら昔には戻れないと思う。
しかし、それと引き替えに失ってしまったものも、このように明確に指摘されると惜しくなる。
それは、プロセス(過程)だ。
安易な「モノより気持ち、ふれあいが大切」などといったスローガンだけの意見でなく、原因を突き詰めて論理的に、世の中が「簡単便利」に振り回されていく様を示していく。
ページをめくるたびに、そうだったんだ、そうだった。とこれまでのもやもやとした謎が消えていく。

これからは、その失ったプロセスを大事にする気持ちと余裕を再び取り返す暮らしをしていきたい。

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

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